立ちつくす思想

新装版第1刷(実質初版第6刷)、 2006年9月5日発行、 勁草書房、2700円
第1刷は1972年12月

 活版印刷ができなくなったので、増刷と言っても、もう一度各頁を写真にとったオフセット印刷になります。 従って単なる増刷よりもやや定価が高くなりますが、悪しからず。 それでも、オンデマンドよりはましでしょうか。

 内容は、1967年から1971年にかけて、自分で主催していた月刊雑誌『指』にのせた短い文を集めて、多少書き直して再録したものです。1972年12月初版。同年夏に、食うや食わずに食いつめて、ドイツのゲッチンゲン大学の常勤講師の職を得ていわば出稼ぎに出かけるその直前に勁草書房に原稿をわたしていったものです。

 今になって読むと、その時代のものの言い方に影響されすぎている、とか、同じことを言うにしても、もう少し平易な言い方ができるだろう、とか、そんなに格好をつけるなよ、とか、あの頃はまだだいぶ幼稚だったなあ(何せ37歳)、とか、いろいろ気になりますが、主題的には、後に『イエスという男』に書き込んでいった発想のもとになったものも、いくつか記されていて、自分でも、へえ、こんな頃にもうこんなことを考えていたのか、などと思う部分もあります。

 しかし、やはりアフリカ経験以前の著作。

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